2012-06-30

瀉心湯

 金匱要略に出典されている三黄瀉心湯のことである。「心気不足して吐血、衄血せば、瀉心湯之を主る」とある。さらに具体的には太平恵民和剤局方の巻六・治積熱に「三黄円、丈夫婦人、三焦の積熱、上焦に熱有れば眼目に攻衝して赤く腫れ、頭項腫痛し、口舌瘡を生じ、中焦に熱有れば心膈煩躁して飲食を美とせず、下焦に熱有れば小便赤渋、大便秘結し、五臓俱に熱有れば即ち瘠癤瘡痍を生ずるを治す。及び五般の痔疾、糞門腫痛し、或いは鮮血を下すを治す」と、各三焦と五臓、五般の適応を述べている。

簡潔に言うと、効能は瀉火解毒、燥湿泄痞である。清熱が第一で、付随して湿を燥かし、痞を下す方剤である。

瀉火解毒というと、黄連解毒湯とどう違うか。黄連解毒湯も三焦の熱を冷ます。三黄瀉心湯には強い瀉火泄熱作用の大黄が入っている。言い換えるなら黄連解毒湯の清熱を瀉火に代えている。したがって黄連解毒湯には瀉下作用がない。当然、三黄瀉心湯の方が瀉火が強い。

ただ、傷陰、傷津が心配される場合には生津作用のある瀉火方剤、白虎湯を考慮すべきである。黄連解毒湯、三黄瀉心湯の病位が肺胃心肝腎の気営血であるのに対し白虎湯の病位は脾胃である。

病機で言えば、黄連解毒湯、三黄瀉心湯は三焦熱績であり、白虎湯は陽明経熱だ。

結局、三黄瀉心湯を一言で言えば、効用は清心通腑だ。主として心胃火盛が基本であり、心火上炎と胃中積熱の様々な症状を治す。
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SEIROU

Author:SEIROU
薬師くすしのブログへようこそ!
昭和26年生まれの卯年。几帳面でだらしのないA型人間。アマチュア無線3級のラジオ老年だった。漢方家。薬剤師。2女1男の子供と4人の孫を持つ。自分の兄弟も同じ姉2人と俺の3人兄弟。
最近両親を亡くし長老になってしまった。
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