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2015-09-30

燥邪

 秋風が爽やかになった。燥邪がやってくる。陰虚体質の患者にとってつらくなる。特に肺陰虚を持つ方には。反面、みずみずしい梨はとっても旨く感じる。

口渇が強くなる夏場の暑邪に代わり燥邪では口乾が起きる。麻杏甘石湯証の人がビールがうまいと言うところから、口乾に代わり麦門冬証の肺胃陰虚証になる。

こうなると滋潤剤の出番となる。ところで、口渇に熱邪よりよく見かけるのは気分の熱による白虎湯類だ。夏場は西瓜は天然の白虎湯なりと言われている。

口渇と口乾の違いは景岳全書に「大いに不同あり、人多く弁ずること能わず。蓋し渇は火燥有余により、乾は津液不足による。」とあり、さらに「津液不足は将に陰虚を以て論ず。」とある。

短絡的に言えば、口渇は外邪によるもの、口乾は正虚によるものと認識できる。口渇のある病態を教科書的に探れば色々と応用が考えられる。

例えば三多のある消渇、いわゆる糖尿病に麦門冬湯類、大柴胡湯加減、白虎湯類、腎気丸類、四君子湯類などと上焦中焦下焦脾虚と分類することを参考にすればよい。

こうして見ると口渇は急性に多く、口乾は慢性雑病に多い傾向にある。またそのルートから外れた脾虚型と。脾虚を慢性型にひっくるめるのもいいが、成り立ちが違うので别に立てる方がいいだろう。

話がどんどん横道にそれてしまった。俺の言いたいのは外邪である燥邪は熱邪や陰虚から二次的に引き起こされるもので、六淫の中でも特殊なものではないかということだ。

しかし、この理論は湿気の高い日本の気候で言えることであり、砂漠を有する中国大陸では、もっとマクロ的な見方をしているので燥邪を数千年前から六淫の一つに入れていることが理解できる。

ただ日本における弁証では、基礎ベースにある程度湿邪が常駐していることが無意識になっている。それで燥邪の研究が進まなかったのであろう。

補陰の方剤として瓊玉膏や六味丸加減、四物湯等々様々あるが、本治法でやっているつもりが、加味や合方では標治法的な考えに走ってしまうのは否めない。四時が秋になったので、紅葉を眺めながらよく考慮しよう。
プロフィール

SEIROU

Author:SEIROU
薬師くすしのブログへようこそ!
昭和26年生まれの卯年。几帳面でだらしのないA型人間。アマチュア無線3級のラジオ老年だった。漢方家。薬剤師。2女1男の子供と4人の孫を持つ。自分の兄弟も同じ姉2人と俺の3人兄弟。
最近両親を亡くし長老になってしまった。
E-mail oosoneseirou@gmail.com

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